Teamsのチャネルを開いて「ファイル」のタブを見ると、こんな一覧になっていることがあります。

設計書.xlsx
設計書_最新.xlsx
設計書_最新_0915修正.xlsx
設計書_田中さん確認用.xlsx
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どれが本物なのか、誰にも分かりません。誰かが雑に使ったわけでもありません。会話の流れで「これ見てください」とファイルを貼る。直したものを、また会話に貼る。一つ一つは自然な操作で、その結果がこの一覧です。

散らかる原因は、Teamsの中にファイルがあると思って使っていることにあります。Teamsは会話の道具で、ファイルは自分では持っていません。チャネルに貼ったファイルはSharePointへ、チャットに貼ったファイルは貼った人のOneDriveへ、それぞれ置かれています。Teamsはそこを覗いている窓です。

この記事では、Teamsのファイルが実際にはどこに置かれているのかを整理し、そこから導かれる「散らからない使い方」と、迷ったときに確かめる順番をまとめます。

Teamsは、ファイルを自分では持っていない

チームを1つ作ると、裏側でSharePointのサイトが1つ自動で作られます。チームの「ファイル」タブに見えているのは、このサイトのドキュメントライブラリの中身です。

Teamsで見えているもの SharePoint側の実体
チーム SharePointのサイト(チームを作ると自動で作られる)
標準チャネル(「一般」など) そのサイトのドキュメントライブラリの中のフォルダー
チャネルの「ファイル」タブ そのフォルダーの中身
プライベートチャネル・共有チャネル チャネルごとに別のSharePointサイト

標準チャネルは、チームの全員が見られる前提なので1つのサイトを共有し、チャネルごとにフォルダーで分かれています。「一般」チャネルのファイルは、SharePointで開くと「ドキュメント」の中の「General」フォルダーに入っています。プライベートチャネルと共有チャネルは、見られる人がチームのメンバーと一致しないため、チャネルごとに専用のサイトが作られます(Microsoft Learn「Overview of Teams and SharePoint integration」で確認)。

実際に、Teamsで作ったチームのSharePointサイトを開き、ドキュメントライブラリの中のフォルダーがTeamsのチャネルの「ファイル」とまったく同じ中身になっていることを確かめる場面は、動画の15分14秒あたりから(無料)見られます。Teamsのタブとブラウザで開いたSharePointを並べて見ると、同じものを別の窓から見ているだけだと腹落ちします。

なお、新しいTeamsではチャネル上部のタブが「ファイル」ではなく「共有」と表示されることがあります。名前が変わっても、つながっている先は同じSharePointのフォルダーです。

チャネルに貼ったファイルと、チャットに貼ったファイルは行き先が違う

ここが一番取り違えやすいところです。同じ「会話にファイルを貼る」操作でも、どこで貼ったかによって置き場所が変わります。

貼った場所 ファイルが置かれる場所 見られる人
チャネルの投稿 チームのSharePointの、そのチャネルのフォルダー チャネルのメンバー
チャット(1対1・グループ) 貼った人のOneDrive for Business そのチャットの参加者だけ

チャットで送ったファイルは、送った人のOneDrive for Businessに保存され、その会話の参加者にだけ共有されます(Microsoftサポート「File storage in Microsoft Teams」で確認)。つまりチャットに貼ったファイルは、チームの持ち物ではなく、貼った人個人の持ち物です。チームの皆で育てていく資料をチャットでやり取りし続けると、最新版が特定の誰かのOneDriveにしか無い、という状態になります。

チャネル側にも落とし穴があります。投稿にファイルをドラッグ&ドロップしたり「添付」からアップロードしたりすると、ファイルはチャネルのフォルダーの一番上の階層に、そのまま置かれます。この操作を何人もが繰り返すと、冒頭の一覧ができあがります。貼ったファイルが「ファイル」タブの最上位に平らに並んでいく様子は、動画の1分25秒あたり(無料)で見られます。

会話と一緒に流れていけばよい画像やメモなら、それで構いません。雑多なやり取りのためのチャネルがあってもよいでしょう。問題になるのは、みんなで最新版を管理し続けたい資料を同じやり方で扱ったときです。

散らかる本当の原因は、コピーが増えること

冒頭の一覧を見直すと、散らかっているのはファイルの「数」ではなく、同じ資料のコピーです。コピーは次の操作で増えます。

  1. 「ファイル」タブの資料をダウンロードする
  2. 手元で直して、名前に日付や「修正」を付ける
  3. それを会話に添付して「直しました」と送る

3の添付で、同じ資料の2つ目が最上位に置かれます。元の資料もそのまま残るので、どちらが本物か分からなくなります。動画の中でこの操作を実演し、「これはもう犯罪級にまずい」と言っているのが6分17秒あたりから(無料)です。ダウンロードから送信までの手順が自然すぎて、悪いことをしている感覚が無いのが、この操作の怖いところです。

コピーを増やさないためのルールは3つだけです。

  • 原本は1つ。 しかるべきフォルダーに置き、そこ以外に置かない
  • その場で開いて直す。 ダウンロードしない
  • 会話にはリンクを貼る。 ファイルを添付し直さない

その場で開いて直す

「ファイル」タブのファイルは、ダウンロードしなくても直接開いて編集できます。開き方はブラウザ・デスクトップアプリ・Teamsの中の3通りあり、どれを選んでも編集しているのはSharePointにある原本です。いつものExcelやWordで作業したいならデスクトップアプリで開けば十分で、自動保存がオンになるので保存ボタンを押す必要もありません。開き方を選ぶ画面は動画の2分46秒あたり(無料)で見られます。

原本を直接開いていれば、複数人で同時に開いても壊れません。ほかの人がどのセルを触っているのかがリアルタイムに表示される共同編集の様子は、動画の4分48秒あたりから(無料)で確認できます。「今は誰かが開いているから待とう」という気遣いそのものが要らなくなります。

「最新」をファイル名で表さない

「_最新」「_0915修正」のようにファイル名で版を管理するのは、やめてください。SharePointのドキュメントライブラリにはバージョン履歴があり、原本を上書きしていけば過去の版はそこに残ります(残す版の数や期間は組織の設定で決まります)。そこにあるものが最新で、前の状態に戻りたければ履歴から戻します。ファイル名で版を分けた瞬間、履歴ではなくコピーで管理することになり、どれが最新かを人が判断しなければならなくなります。動画でも3分13秒あたり(無料)で強く念を押しています。

会話にはリンクを貼る

ある資料について別の会話で話したいときは、ファイルを添付し直すのではなく、原本へのリンクを貼ります。動画の撮影時点のTeamsでは、添付メニューの「チームとチャネルを参照」から、すでにチャネルにあるファイルを選んでリンクとして貼れました(7分41秒あたり・無料)。2つの会話から同じ原本を指しているので、片方から編集した内容がもう片方にもそのまま反映されます。

メニューの項目名はTeamsの更新で変わっていますが、考え方は変わりません。「このデバイスからアップロード」ではなく、既存のファイルを選ぶ操作を使うか、原本の「リンクをコピー」で得たリンクを貼ります。

スクリーンショットはファイルにしない

画面を見せたいだけなら、スクリーンショットを画像ファイルとして保存して添付する必要はありません。Windowsなら Windows + Shift + S で範囲を切り取るとクリップボードに入るので、それを投稿欄に直接貼り付けます。メッセージの中に画像として表示されますが、「ファイル」タブのフォルダーには画像ファイルが増えません(動画の9分59秒あたり・無料)。冒頭の一覧の スクリーンショット ... .png は、これだけで消えます。

エクスプローラーで扱いたいなら「同期」する

ブラウザやTeamsの画面よりエクスプローラーのほうが慣れている、という人も多いはずです。その場合もダウンロードではなく、「ファイル」タブの同期を使います(動画の8分2秒あたり・無料)。同期すると、エクスプローラーの左側に組織名のアイコンが増え、その下にチームとチャネルのフォルダーが並びます。

同期しても、いきなりすべてのファイルがPCへダウンロードされるわけではありません。状態の欄に雲のアイコンが付いたファイルは、クラウドにあることだけが分かっている状態で、PCの容量はほとんど使いません。ダブルクリックしたときに初めてダウンロードされます。常に手元に置きたいフォルダーは、右クリックの「このデバイス上に常に保持する」で指定します(OneDriveの「ファイル オンデマンド」という仕組み)。雲のアイコンの意味と、ダブルクリックで状態が変わる様子は動画の8分44秒あたりから(無料)見られます。

同期したフォルダーで開いたファイルも、原本とつながっています。エクスプローラーから開いて直しても、Teamsやブラウザで開いている人との共同編集はそのまま成り立ちます。ダウンロードしたファイルとの違いはここです。

OneDriveも、SharePointの一部屋

チャットのファイルが行く「OneDrive for Business」と、チャネルのファイルが行く「SharePoint」は、名前が違うので別の製品に見えます。けれども裏側の技術は同じです。OneDrive for Businessは、組織アカウント1人ずつに用意された個人用のSharePointサイトの中のライブラリです。ブラウザで自分のOneDrive for Businessを開くと、URLが https://(組織名)-my.sharepoint.com/personal/(ユーザー名)/... のように、SharePointの住所になっていることが分かります。

整理すると、同じ同期アプリ(OneDrive)で扱える場所は3種類あります。

場所 持ち主 使うアカウント
OneDrive(個人用) 本人 Microsoftアカウント(個人アカウント)
OneDrive for Business 組織(本人の個人用サイト) 職場または学校アカウント
SharePointサイトのライブラリ(Teamsのチャネルを含む) 組織(チームや部署) 職場または学校アカウント

以前は個人用と組織用で同期アプリが別々でしたが、今は1つのOneDriveアプリにアカウントを追加すれば、この3種類をまとめて同期できます。エクスプローラーに個人用OneDrive・組織のOneDrive・SharePointのライブラリが並ぶ様子は、動画の17分5秒あたりから(無料)で見られます。

ただし、TeamsからつながるのはOneDrive for Businessだけで、個人用のOneDriveにはつながりません(Microsoftサポートで確認)。個人用と組織用のアカウントの違いそのものは、Microsoftの「個人」と「職場または学校」は別人だで整理しています。

組織の外へ渡すときも、ファイルではなくリンクと権限を渡す

チームのメンバー以外に資料を見せたいときも、ダウンロードしてメールに添付するのではなく、原本の共有リンクを渡します。共有リンクには、誰に渡すか(組織内の全員・特定のユーザーなど)と、何を許すか(編集・閲覧のみ・ダウンロードの禁止)を付けられます。動画の撮影時点では「SharePointで開く」からこの設定をしており、既定が「リンクを知っている組織内のユーザーが編集できる」になっていることを確かめる場面が13分4秒あたり(無料)にあります。

共有リンクなら、渡したあとで権限を変えたり取り消したりできます。添付したファイルは、送った瞬間に相手の手元へコピーが増え、二度と取り戻せません。組織の外の人に共有できるかどうか、どの種類のリンクが使えるかは管理者の設定で決まるので、選択肢が出てこないときは組織のルールを確認してください。

迷ったときの置き場所

やりたいこと どうするか
チームで育てていく資料を置く チャネルの「ファイル」の、しかるべきフォルダーに置く
その資料を直す その場で開く(ブラウザ・デスクトップアプリ・Teams)。ダウンロードしない
版を残したい 上書きする。過去の版はバージョン履歴にある
別の会話でその資料の話をする ファイルを添付し直さず、原本へのリンクを貼る
画面を見せたい スクリーンショットはクリップボードから貼る。ファイルにしない
エクスプローラーで扱いたい 「同期」する。雲のアイコンは容量を使っていない
組織の外の人に見せる 共有リンクを、相手と権限を絞って渡す
チャットで送ったファイルがどこにあるか分からない 送った人のOneDrive for Businessにある。チームで使う資料ならチャネルへ置き直す

まとめ

  • Teamsはファイルを自分では持っていない。チャネルのファイルはチームのSharePointサイト、チャットのファイルは貼った人のOneDrive for Businessにある
  • 標準チャネルは1つのサイトの中のフォルダー、プライベートチャネルと共有チャネルはチャネルごとに別のサイト
  • 会話にファイルを添付すると、チャネルのフォルダーの最上位に平らに置かれる。散らかる原因はファイルの数ではなく、同じ資料のコピーが増えること
  • 原本は1つ、その場で開いて直す、会話にはリンクを貼る。版はファイル名ではなくバージョン履歴で管理する
  • エクスプローラーで扱うならダウンロードではなく同期。OneDrive for BusinessもSharePointのライブラリも、同じ仕組みの上にある